「スナック」と「ラウンジ」。
どちらも夜にお酒を楽しめる場所として耳にしますが、「具体的に何が違うの?」「どっちのお店を選べばいいか分からない…」と悩んでいませんか?
特に初めての方にとっては、その区別はつきにくいかもしれませんね。
ご安心ください!この記事を読めば、スナックとラウンジの明確な違いがスッキリ理解でき、料金相場や接客スタイル、お店の雰囲気を踏まえて、あなたにピッタリのお店を選べるようになります。
この記事では、夜のお店の基本的な知識や業界の慣習、さらには法律(営業許可)の違いといった少し専門的な情報も、初心者の方にも分かりやすいように噛み砕いて解説していきます。
スナックとラウンジ、それぞれの魅力と違いを知って、お店選びの不安を取り除きましょう!
そもそもスナック・ラウンジとは?基本的な定義を確認

まずは、スナックとラウンジがそれぞれどのようなお店なのか、基本的な定義と特徴を押さえておきましょう。
スナックとは:アットホームな雰囲気とママ/マスターとの会話が魅力
スナックは、もともと「スナックバー(Snack bar)」の略で、「軽い食事(スナック)も提供するバー」という意味合いがあります。
一般的には、ママやマスターと呼ばれる店主が中心となって切り盛りしているお店が多く、カウンター席がメインの比較的小規模な店舗が特徴です。
地域に根ざしたお店も多く、常連客で賑わうアットホームな雰囲気が魅力と言えるでしょう。
お客さん同士や、ママ・マスターとの会話を楽しんだり、カラオケで盛り上がったりする、コミュニケーションを楽しむ社交場のような側面も持っています。
気軽に立ち寄って、肩肘張らずにお酒を楽しみたい時にぴったりのお店です。
- 主な特徴:
- ママやマスターがいることが多い
- カウンター席がメイン
- 小規模でアットホームな雰囲気
- カラオケがあるお店が多い
- 常連客との交流も楽しめる
ラウンジとは:ゆったりとした空間で洗練された時間を
一方ラウンジは、その名の通り「Lounge(社交室、待合室、くつろげる空間)」が語源となっています。
スナックに比べると店内は広く、ソファ席やボックス席が中心となっているお店が多いのが特徴です。
多くの場合、女性スタッフ(キャストやホステスと呼ばれることも)が接客を担当し、お客さんと会話をしたりお酒を作ったりします。
内装も高級感があり、落ち着いた雰囲気のお店が多く、スナックよりもやや洗練された空間で、ゆったりとお酒や会話を楽しみたい時に向いています。
企業の接待などで利用されることもあります。
- 主な特徴:
- 女性スタッフが接客することが多い
- ソファ席・ボックス席がメイン
- スナックより広く、高級感のある雰囲気
- 落ち着いて会話を楽しめる
- 接待にも使われる
一番の違いはここ!「営業許可」から見るスナックとラウンジ

雰囲気や接客スタイルが違うスナックとラウンジですが、その背景には「営業許可」の違いが大きく関わっています。
少し専門的な話になりますが、これが両者のサービス内容を理解する上で重要なポイントになります。
- スナックの多く: 「飲食店営業許可」(+深夜0時以降も営業する場合は「深夜酒類提供飲食店営業」の届出)で営業しています。これは、基本的にお客さん自身が飲食を楽しむためのお店という位置づけです。
- ラウンジの多く: 「風俗営業(接待飲食等営業1号)」の許可で営業しています。こちらは、お店のスタッフがお客さんの隣に座るなどして「接待」を行うことが許可されています。
この「接待」がキーワードです。
風営法では、特定のスタッフがお客さんの近くに継続して座り、会話やサービスを提供することを「接待」と定義しています。
つまり、ラウンジは「接待」が許可されているため、女性スタッフが隣に座って接客することが主なサービスとなります。
一方、スナックは原則として「接待」ができないため、カウンター越しでの接客が基本となるわけです。
(※お店によってはスナックでも接待を伴う営業許可を取得している場合もありますが、一般的には上記のように区別されます。)
また、風俗営業許可のお店は原則として深夜0時(地域によっては1時)までの営業と定められているため、ラウンジの営業時間はスナックよりも短い傾向があります。
このように、営業許可の違いが、接客スタイルや営業時間といった具体的なサービスの違いに繋がっているのです。
どこが違う?スナックとラウンジの【5つのポイント】を徹底比較
営業許可の違いも踏まえつつ、皆さんが特に気になるであろう具体的な違いを、以下の5つのポイントで比較してみましょう。
▼スナック vs ラウンジ 比較表▼
比較ポイント | スナック | ラウンジ |
---|---|---|
主な営業許可 | 飲食店営業 (+深夜酒類提供) | 風俗営業 (接待飲食等営業1号) |
料金システム | セット料金+ドリンク代/ボトルキープが一般的 | 時間制セット料金+指名料・サービス料などが一般的 |
料金相場(目安) | 数千円~1万円程度 | 1万円~数万円程度 |
接客スタイル | カウンター越し (ママ/マスター中心) | 隣席での接待 (女性スタッフ中心) |
雰囲気 | アットホーム、カジュアル | 高級感、落ち着いた |
規模 | 小規模が多い | 中規模~やや大きめが多い |
主な客層 | 地元常連、サラリーマン、一人客 | 接待利用、経営者層、グループ客 |
カラオケ | あることが多い | ない場合もある (お店による) |
1. 料金システムと相場:セット料金?時間制?予算はいくら?
お店選びで最も気になるのが料金ですよね。スナックとラウンジでは、料金システムや相場が異なります。(上の比較表も参考にしてください)
- スナックの料金:
- システム: 「セット料金」が一般的です。これは、席料(チャージ)、お通し、氷・水などが含まれた基本料金のこと。
これに、自分が飲んだドリンク代や、ボトルを入れている場合はその料金が加算されます。
お店によっては「飲み放題プラン」がある場合も。 - 相場: 比較的リーズナブルで、一般的に数千円~1万円程度が目安です。
もちろん、飲む量やお店によって変動します。 - ポイント: ボトルキープをすると、2回目以降はセット料金だけで楽しめる場合が多く、通うほどお得になることがあります。
- システム: 「セット料金」が一般的です。これは、席料(チャージ)、お通し、氷・水などが含まれた基本料金のこと。
- ラウンジの料金:
- システム: 「セット料金」が基本ですが、こちらは時間制(例:60分〇〇円)となっていることが多いです。
この基本料金に、スタッフの指名料や同伴料(お店の外で会ってから一緒に入店する場合など)、飲食代、そしてサービス料(税・サ)が加算されるのが一般的です。 - 相場: スナックよりも高めの価格設定で、一般的に1万円~数万円程度が目安となります。
高級店や指名、飲む量によってはさらに高額になります。 - ポイント: 時間制なので、滞在時間によって料金が変わる点に注意が必要です。
事前に料金システムを確認しておくと安心です。
- システム: 「セット料金」が基本ですが、こちらは時間制(例:60分〇〇円)となっていることが多いです。
2. 接客スタイル:カウンター越し?隣に座る?誰が接客してくれる?
誰に、どのように接客してもらえるかも大きな違いです。
比較表の通り、スナックはカウンター越し、ラウンジは隣席での接客が基本です。
- スナックの接客:
- 誰が?: 主にママやマスター。
アルバイトのスタッフがいる場合もあります。 - どのように?: 基本的にカウンター越しでの接客です。
お客さんの隣に座ってつきっきりで…ということは原則ありません(営業許可による)。
ママや他のお客さんとの会話、カラオケなどを通じて、お店全体で和気あいあいとした時間を過ごすイメージです。 - 特徴: アットホームで、親しみやすい接客。
- 誰が?: 主にママやマスター。

- ラウンジの接客:
- 誰が?: 女性スタッフ(キャスト、ホステスなど)が中心です。
- どのように?: お客さんの隣の席について接客(接待)します。
お酒を作ったり、会話を楽しんだりするのが主なサービスです。
「指名制度」があり、気に入ったスタッフを指名できる場合が多いです。 - 特徴: マンツーマンに近い形で、きめ細やかな接客を受けられる。

3. お店の雰囲気と内装:カジュアル?高級感?どんなお店?
お店のムードや見た目も異なります。
- スナックの雰囲気・内装:
- 雰囲気: カジュアルでアットホーム。
気取らずリラックスできる雰囲気です。
常連さんが多く、和気あいあいとしていることが多いでしょう。 - 内装: カウンター席がメインで、ボックス席が少しある程度。
お店によっては少し年季が入っていたり、ママの趣味が反映された個性的な内装だったりすることも。生活感や温かみを感じられる空間です。
- 雰囲気: カジュアルでアットホーム。
- ラウンジの雰囲気・内装:
- 雰囲気: スナックに比べると高級感があり、落ち着いた雰囲気。
静かに会話を楽しみたい、少し特別な時間を過ごしたい時に向いています。 - 内装: ソファ席やボックス席が中心で、ゆったりとした空間が確保されています。
照明はやや暗めで、洗練されたインテリアでまとめられていることが多いです。
- 雰囲気: スナックに比べると高級感があり、落ち着いた雰囲気。
4. お店の規模と立地:駅前?繁華街?どのくらいの広さ?
お店の大きさや、どこにあることが多いかにも違いが見られます。
- スナックの規模・立地:
- 規模: 小規模なお店が多く、席数は10席~30席程度が一般的です。
- 立地: 駅前や繁華街はもちろん、住宅街の近くや雑居ビルの中など、比較的身近な場所にも多く点在しています。
- ラウンジの規模・立地:
- 規模: スナックよりは中規模~やや大きめのお店が多く、数十席以上のキャパシティを持つこともあります。
- 立地: 主に都市部の繁華街に集中している傾向があります。
5. 主な客層:どんな人が利用してる?
どんなお客さんが多いのかも、お店を選ぶ際の参考になりますね。
- スナックの客層:
- 地元の常連客やサラリーマンが多い傾向にあります。
仕事帰りにふらっと立ち寄るような、一人客も珍しくありません。
年齢層は比較的幅広く、お店によって様々です。
- 地元の常連客やサラリーマンが多い傾向にあります。
- ラウンジの客層:
- 会社の接待での利用や、経営者層、比較的裕福な層が多いと言われています。
スナックに比べると、グループでの利用が多いかもしれません。
お店によっては会員制を導入している場合もあり、客層が限定されていることもあります。
- 会社の接待での利用や、経営者層、比較的裕福な層が多いと言われています。
ただし、これらはあくまで一般的な傾向です。
お店のコンセプトや場所によって客層は大きく異なります。
初心者向け!目的別・シーン別のおすすめはどっち?

さて、ここまで違いを見てきましたが、「じゃあ、結局自分にはどっちが合ってるの?」と思いますよね。
そこで、目的やシーン別におすすめのタイプをまとめてみました。
▼スナックがおすすめな人・シーン
- 一人で気軽に飲みたい
- お店の人(ママ・マスター)や他のお客さんと話したい
- カラオケが好き!歌いたい!
- あまり予算をかけずに楽しみたい
- ワイワイ、アットホームな雰囲気が好き
▼ラウンジがおすすめな人・シーン
- 静かに落ち着いてお酒や会話を楽しみたい
- 女性スタッフに丁寧な接客をしてほしい
- 少しリッチな気分、非日常感を味わいたい
- 大切な人とのデートや、ビジネスの接待で使いたい
- 周りを気にせずグループでゆっくり話したい
もちろん、これはあくまで目安です。
「今日はしっとり飲みたいからラウンジ」「ワイワイしたいからスナック」というように、その日の気分や目的に合わせて使い分けるのが一番です。
初めてで不安な場合は、比較的入りやすい雰囲気のスナックから試してみるのも良いかもしれませんね。
(補足)バーやクラブとの違いは?
スナックやラウンジと似た業態として「バー」や「クラブ」もあります。
簡単に違いに触れておきましょう。
- バーとの違い: バーは、バーテンダーが作るお酒そのものを楽しむことに重きを置いたお店です。
スナックやラウンジのような特定のスタッフによる接客やカラオケがメインではありません。
オーセンティックバー、ショットバー、ダイニングバーなど種類も様々です。 - クラブとの違い: クラブ(ここで言うのは社交クラブのような高級店)は、ラウンジよりもさらに高級な位置づけのお店が多いです。
入店に紹介が必要な会員制であったり、料金設定も高額であったりします。
接客する女性(ホステス)のレベルやサービスも非常に高いとされています。
このように、似ているようでそれぞれ特徴が異なります。
まとめ:スナックとラウンジの違いを知って、自分に合ったお店を楽しもう!

今回は、スナックとラウンジの違いについて、料金システム、接客スタイル、雰囲気などを中心に詳しく解説しました。
比較表で示した通り、
- スナック: ママやマスター中心、カウンター越し接客、アットホーム、比較的リーズナブル
- ラウンジ: 女性スタッフ中心、隣席での接待、高級感・落ち着き、スナックより高め
といった違いがあります。
どちらが良い・悪いということではなく、それぞれに違った魅力があります。
営業許可の違いからくる接客スタイルの差などを理解しておくと、よりお店選びがしやすくなるはずです。
この記事が、あなたの「スナック・ラウンジ選び」の参考になれば幸いです。
ぜひ違いを知った上で、気になるお店に足を運んで、楽しい時間を過ごしてくださいね!